愛知県は名古屋市緑区の有松・鳴海地域を中心に生産される、
国の伝統工芸品に指定されている絞り染めがあります。
有松鳴海絞り(ありまつなるみしぼり)は、
国内における絞り製品の大半を占めており、
多数の技法を有し、様々な美しい模様を生み出す絞り染めです。
木綿布を藍で染めたものが代表的ですが、
最近は布ではなく皮を用いた『皮絞り』が作られているそうです。
様々な有松鳴海絞り
有松鳴海絞りの歴史
有松鳴海絞りの生誕の町有松が誕生したのは、慶長13年(1608年)のこと。
尾張藩が有松鳴海絞りを藩の特産品として保護し、
竹田庄九郎を御用商人に取り立てたことからはじまりました。
東海道を往来する旅人が、故郷へのお土産に買い求めたことで、
街道一の名産品となりました。
その繁栄ぶりは北斎や広重の浮世絵に描かれるほどだったそうです。
有松鳴海地区は、文化財に指定されており、
日本の伝統的建造物の美しさを今に伝える町並みが見られます。
有松の町並み
有松絞りと鳴海絞りは元々別々の物だった
有松と鳴海は元々は全く別の地域で、
江戸時代より互いに販売合戦や本家争い等を繰り返してきたそうです。
しかし、有松に1984年、
『有松・鳴海絞会館』が完成し、
名称に有松・鳴海を併記することで、
長年の対立に決着がつき、共に協力して行く体制となったんだそうです。
江戸時代に誕生したものの、
現在の『有松・鳴海絞り』と呼ばれるようになってからは、
比較的年月が浅いのですね。
有松鳴海絞りの工程
有松鳴海絞りは、
図案を決定後型紙を作る【型彫り】、
出来上がった型紙を布の上に置き刷毛で模様を刷り込む【絵刷り】、
道具を使い加工する【くくり】、
染料を使い色をつける【染色】、
模様をつける際に縫い付けられた糸を除く【糸抜き】、
といった工程を経て仕上げられます。
有松・鳴海絞会館では、
絞りの体験教室が開かれており、
絞り製品の即売場もあるため、
興味のある方はぜひ訪れてみて下さい。
有松・鳴海絞会館ホームページ
https://shibori-kaikan.com/
皮の絞り染め
有松にある皮絞りの店『くるる』では、
伝統産業である有松鳴海絞りを次世代に伝えていくために、
これまでは木綿布が主であった絞りを皮に施し、
新しい工芸の可能性を開きました。
染色以外の、デザインや縫製といった工程を自ら行い、
オリジナルの製品を生み出しています。
『くるる』の皮絞りは、
店舗だけでなくオンラインショップでも商品を購入することが出来ます。
バッグや財布類の他、
ブックカバーやパスケースといった小物類も多く取り扱っており、
手軽に購入できる品も多数販売しています。
【くくる 革絞り】 バッグ -ippin- / 白 86,400円(税込)
【くくる 革絞り】福カエル (小物入れ) / 緑 3,780円(税込)
【くくる 革絞り】キーケース / 紺 9,720円(税込)
出典:https://kukulustore.base.ec/
上記は商品の一部です。
全て手作業のため、
同じ絞り柄でも大きさの違いや染めの入り方が異なり、
2つとして同じものが存在しない、実質一点物となっています。
模様にこだわりたい方は、
オンラインショップでなく直接商品を見て選べる、
店舗で購入するのが良さそうです。
伝統工芸と皮細工を組み合わせた、
他では買えない個性的で美しい商品がたくさんあるので、
好みの物が見つかると嬉しいですね。
皮絞り くくる お店情報
住所:愛知県名古屋市緑区有松1035
営業日:金・土・日曜
営業時間:10~17時
くくる オンラインショップ
https://kukulustore.base.ec/
お店外観(Googleストリートビューより)
出典:https://www.google.co.jp/