毎年冬になると、
インフルエンザ関係の話題を聞かない年はありません。
インフルエンザの対策としてよく言われるのがワクチンですが、
ワクチンは本当に効果があるのか、
安全性はどうなのか、副作用は無いのか、
どういった原料から作られているのか、
などについて調べてみました。
インフルエンザワクチンは効果あるの?
毎年ワクチン接種をしているのにもかかわらず、
必ずインフルエンザにかかってしまう、
という人もいます。
逆に、ワクチン接種をしていなくても、
一度もインフルエンザにかかったことがない、
という人もいます。
なぜ接種をしているのにインフルエンザにかかってしまう人がいるのでしょうか。
インフルエンザワクチンは、
感染後にインフルエンザが発症する可能性を低減させる効果と、
発症した場合の重症化防止に有効とされています。
ワクチンを接種したからと言って、
100%インフルエンザにかからなくなる、
というものではないのです。
インフルエンザの感染とは、
ウィルスが体内に侵入し増殖する状態で、
ワクチンにはこれを完全に抑える働きはありません。
体内でウィルスが増えると、
数日間の潜伏期間の後、発熱や喉の痛みといった症状が表れ発病します。
ワクチンにはこの発病をある程度抑える効果が認められているものの、
麻疹や風疹のワクチン程の高い発病予防効果はありません。
インフルエンザは発病後一週間ほどで快復しますが、
肺炎や脳症といった重い合併症を起こし、
重症化してしまう方もいます。
インフルエンザワクチンの最も大きな効果は、
この重症化を予防することにあります。
中でも高齢者は特に重症化しやすいと言われているため、
高齢者のワクチン接種が推奨されています。
ワクチンの安全性や副作用は?
副作用(副反応)として、
ワクチン接種を受けた人のうち、
10~20%程の割合で接種した部分の腫れや痛みが起きたり、
5~10%程の割合で発熱や頭痛、悪寒、倦怠感などが起きると言われています。
また、まれにショック症状やアナフィラキシー様症状を起こす人もいます。
それ以外にも、ごくまれであるものの、
重い副反応を起こした事例が報告されており、
死亡例もごく少数ではありますが発生しています。
ただし、これらの副反応が、
ワクチン接種が原因であるかどうか、
明確な因果関係は認められていないとされています。
ワクチン接種を受けたことによる副作用は、
ごく低確率ではあるようですが、
気になる方は接種を控えた方が良いかもしれませんね。
ワクチンの原料は?
インフルエンザのワクチンは、
鶏の卵を原料として作られています。
そもそもインフルエンザワクチンとは、
感染性を無くしたインフルエンザウィルスを接種することで、
インフルエンザに対する免疫をつけるもので、
ワクチンの原料としてウィルスが必要になります。
大量生産しやすく、
ウィルスの培養がしやすいということで、
原料に鶏の卵が使われているのです。
ワクチン製造に使われるのは受精卵で、
発育させたものにウィルスを入れ増殖させ、
溜まったウィルス液を使ってワクチンの原料とするのです。
ちなみに大人一人分のワクチンを作るのに必要な鶏の卵は1~2個。
卵アレルギーを起こす原因物質はごくわずかにしか含まれていないため、
ワクチン接種でアレルギーを起こす心配はないとされています。
(ただし欧米のワクチンは卵の成分を多く含むため注意が必要)
なおウィルス液を採った後の卵の扱いについては詳細が見つかりませんでした。
インフルエンザの予防について
1.流行前のワクチン接種
2.手洗い
流水、石鹸を用い、手指等に付着したウィルスをしっかり除去する。
アルコール製剤による手指衛生も効果がある。
3.湿度
空気が乾燥すると気道粘膜の防御機能が低下し、
インフルエンザにかかりやすくなりる。
50~60%の湿度を保つことが効果的とされる。
4.十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
5.人混みを避ける
やむを得ず外出する場合には、
防衛策として飛沫感染等を防ぐことができるマスクを着用。
帰宅後は手洗いをしっかりと行う。
以上、インフルエンザワクチンについて、
接種を受けるかどうかの判断の参考になれば幸いです。
インフルエンザだけでなく風邪等で体調を崩しやすいこの季節、
体調管理をしっかりとして快適に過ごしたいですね。
参考:厚生労働省インフルエンザQ&A
画像:写真AC